1. 採用リスクの整理

採用で最も避けなければならないことは、入社して問題を引き起こし会社の足を引っ張る人を採用してしまうことです。
では、問題を引き起こし、会社の足を引っ張る社員とはどんな人なのでしょうか。
問題の大きさに合わせて整理してみます。

問題:大(会社の業績、評判に大きな影響がある)

  • 会社のお金に手をつける
  • セクハラ、ストーカー行為など犯罪行為を行う
  • 会社の悪口、社長の悪口を言いふらす
  • まったく言うことを聞かず、勝手なことをして、会社に損害を与える
  • 他者を攻撃して、揉め事が多い
  • 辞めてからも社員の引き抜き、会社へ訴訟など恩を仇で返す

問題:小(対応に手間がかかるなどの問題はあるが、影響はそこまで大きくない)

  • 仕事の意欲が低い
  • 勤怠が良くない
  • 軽微のルール違反が多い(提出書類が遅れて、言わないと出さないなど)
  • 能力面に課題がある
  • 言われないと動かない

このように整理すると、問題の「小」も確かに社長としては頭を悩める問題ではありますが、いわゆる問題化という視点で考えると、「大」の問題につながる人の採用だけは絶対に避けなければいけません。

では、このような入社後に問題化する社員を入社前の段階で見極めるにはどのようにしたらよいのでしょうか。
問題化する社員の資質としては下記のような資質が多いです。

  • 独善的

自分が絶対的に正しく、自分さえ良ければ良いという価値観です。
自分の利益のみで動くため、会社の利益には興味がありません。
またルールを守らず相手への配慮も欠けるため、反社会的な行為を行うことがあります。

  • 攻撃的

自分の存在を守るため、他社に何かを言われると大声で恫喝したり、キレる、机を蹴るなどの過剰に攻撃的な行動をします。

  • 批判的

当事者として取り組まず、安全なところから、社長や会社、周囲などを批判したり、出来ない理由を並べて会社運営を阻害します。
大企業から中小へ転職してうまくフィットしない場合などに多いケースです。

2. 具体的に何をチェックすれば良いか

私は、選考を担当するときに、これらの部分はかなり重視してみています。
具体的に自分がチェックしている見方を書きます。

  • キツさやズルさを感じる表情(目つき、口元、作り笑いなど)
  • 横柄に感じる座り方(足を極端に開くなど、背もたれに深く腰掛ける、足を組む、腕を組むなど)
  • 上から目線を感じる話し方(声の大きさ、声の鋭さ、イントネーションの不自然さ、若手社員への対応など)
  • 深く聞いた時の反応(人相が変わる、声質が変わる、イラつきを見せる、こちらの話を遮るなど)
  • 退職理由などを聞いたときに反応(誰かのせいにする、必要以上に批判するなど)
  • ルールや社会通念に対するルーズさ(書類、服装、時間、返信対応、話し方、規則に関する質問など)

他にも挙げればキリが無いのですが、能力や職種などよりもまず私が面接で重視しているのは、これら大きな問題につながりそうかどうかの項目です。
とはいっても、これらのどれか1つに当てはまったから、即問題!という判断にはなりません。
多くの場合、これらのチェックする項目は複合的に繋がっていますので、複数の傾向を追っていって、根拠を揃えないと、採るべき人を見誤ってしまうケースもあります。

3. まとめ

また、適性検査を使う手もありますが、ほとんどの適性検査は候補者自らで入力するため、精度は限定的です。
当社では面接や適性検査以外にも、より選考精度を高めるためのワークサンプルのサービスなども提供しており、こちらもお勧めです(興味があればお気軽に聞いてください!)