1. 企業に合うとはどういうことか?

さて、今日のテーマは「企業に合う」とはどういうことかについて書きます。

 

採用において、経験や専門も大事で、経験や専門を組織で発揮する能力がもっと大事で、さらに定着しなければ意味がないので、「企業に合うかどうか」(人柄やカルチャーフィットなどともいわれます)がもっともっと大事です。

 

では、「企業に合う」とはどういうことでしょうか?

 

例えば、企業によっては特徴の違うケース。

 

・「スピードは遅くとも、ミスなく正確にやる」ことが重視される

・「多少のミスがあっても、スピード感をもってやる」ことが重視される

 

これはどちらが正解というわけではなく、企業の事業内容や経営陣の価値観、風土など様々な要因によって影響を受け、違いが出てきます。

 

この場合、良い組み合わせは

「スピード重視」の企業に「スピード重視」の方
「正確性重視」の企業に「正確性重視」の方

 

となります。

 

逆に、

「スピード重視」の企業に「正確性重視」の方
「正確性重視」の企業に「スピード重視」の方

 

となると、そこにはミスマッチが発生してきます。

 

こうした企業と個人の価値基準がどれだけ近しいかが「企業と個人が合う」ということだと考えています。そして、それぞれの企業や個人の価値基準は尊重されるべきものだとも思っており、優劣や正解不正解があるのではなく、無理に変えたりするものでもありません。

 

 

オーナー企業のお客様が多いのですが、その中で、代表的な価値基準を挙げます。

・「主張」より「受容」

地域に根付いたお客様企業が多く、革新的なことを主張する前に、まず地域の信用を勝ち取り、「できる限り柔軟にお客様のニーズに対応すること」が優先されます。そのために、「主張」よりもまずお客様(や相手など)を「受容」する価値基準が大事になります。


・「瞬発」より「持続」

即戦力を求めるニーズはとても多いのですが、実はそのお客様ごとに長年にわたって積み上げてきた風土や技術など、競争力となっているのは「マネしにくい」部分です。それは、瞬発的に作られたものではなく、長年の持続によって積み上げられたものなのです。そのため、瞬発よりも積み上げに強い「持続」が大事な価値基準となります。

 

 

受容・持続から外れた候補者はどうなのか?

 

こう書いてきましたが、「受容」「持続」とぴったりマッチしなければいけないかというと、実はそうではありません。正直、実は自分も、どちらかというと「主張」「瞬発」が強めなのですが、1つの企業で15年継続して働いておりました。

 

なぜ勤務を続けられたかというと、この「受容」「持続」の2つの価値基準は私にとって、「自分が最も大事にしていることではないけれど、大事だと思うこと」だったからです。

 

逆に「自分が最も大事にしていることを、企業も最もではないにしろ、大事だと思っている」

 

場合は、続けているんだと思っています。

 

そして、もう1つ大事なことは「受け入れられない」価値基準が双方に存在しないことだとも思っています。

 

つまり「価値基準がぴったり一致する」ことは現実難しいと考えていて、大事にしていることがそれなりに一致し、「受け入れられない価値基準が無い」というから続けられていて、「合う」ということなのかなと考えています。